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2025年4月21日

帯状疱疹 定期予防接種のご案内

効果の高いワクチンは2回接種が必要 久留米市の費用援助あり

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自治体の費用援助は,今年度中に以下の年齢になる方です.
 65, 70, 75, 80, 85, 90, 95歳, 100歳以上

注)"今年はしないで,来年に回す” はできません!
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帯状疱疹(たいじょうほうしん)とは?
  • 原因ウイルス:子どもの頃にかかった「水ぼうそう(⽔痘)」の原因ウイルス〈水痘・帯状疱疹ウイルス:VZV〉が⾝体の神経節に潜伏し、加齢や疲労・ストレス、病気や薬による免疫低下などをきっかけに再活性化して発症します。

  • 主な症状:ピリピリする痛みと、神経に沿って帯状に並ぶ⽔ぶくれ(紅斑→丘疹→⽔疱)。顔・目の周り、胸・背中、腰〜下肢など身体の「左右どちらか⽚側」に出るのが特徴です。

  • 合併症:皮疹が治った後も強い痛みが残る「帯状疱疹後神経痛(PHN)」のほか、⿐や⽬に出た場合は視⼒障害、⽿に出た場合は難聴・顔⾯神経⿇痹を起こすことがあります。

  • 発症頻度:80歳までに約3⼈に1⼈が経験すると推定され、50歳を境に急増します。免疫が落ちやすい糖尿病・慢性腎臓病・がん治療中の⽅、ステロイドや免疫抑制剤を使っている⽅はさらにリスクが⾼まります。 (厚生労働省)


予防のかなめはワクチン接種

2025年4⽉から、帯状疱疹ワクチンは定期接種に組み込まれ、規定の年齢の⽅は公費の援助を受け接種できるようになりました*。


*お住まいの市区町村により自己負担額や対象年齢が異なります。久留米市にお住まいの方は,年度内に ちょうど 65, 70, 75, 80, 85, 90, 95歳になる方,および100歳以上の方のみ,対象になります


帯状疱疹ワクチンは2種類

組換えサブユニットワクチン(不活化)シングリックス®

乾燥弱毒⽣⽔痘ワクチン(⽣ワクチン)ビケン®

費⽤ 任意接種(自費) 定期接種対象者

20,000〜25,000円×2 回 自己負担 10,000円x2回

7,000〜10,000円×1 回 自己負担 3,000円

ウイルス成分

遺伝子組換えで作った アジュバント(ウイルスを含まない)

弱毒化した“生きた”ウイルス

接種回数・間隔

2 回(2〜6 か⽉空けて)筋⾁内

1 回 皮下

接種対象

自費で原則 50 歳以上(18 歳以上のハイリスクも可) ただし,久留米市の援助は規定年齢の方のみ(上記)

自費で原則 50 歳以上の健常者 ただし,久留米市の援助は規定年齢の方のみ(上記)

有効率*

97%(50 歳以上)・90%以上が 10 年持続

50〜70%(年齢で低下)・5 年で 40%程度に低下

主な副反応

接種部位の痛み・腫れ、発熱、だるさ(24〜48h以内に軽快)

接種部位の痛み・腫れ、微熱、まれに軽い発疹

接種できない⽅

発熱中、重い急性疾患、過去の重篤なアレルギー反応

上記に加え、妊娠中・免疫抑制状態の⽅は禁忌

*臨床試験結果の代表値 †地域助成・定期接種対象外の場合の⽬安です。 (グラクソ・スミスクライン) (厚生労働省) (m3薬剤師)


どちらを選べばいい?
  • 確実な予防効果と長期持続を重視 → シングリックス®

    • 免疫が低下している⽅(糖尿病、腎疾患、がん治療中 など)や、帯状疱疹後神経痛を絶対に避けたい⽅に推奨。

  • 1 回で済ませたい/重い疾患がなく費⽤を抑えたい → 生ワクチン

    • 健康な 50〜60 代で、妊娠予定・免疫抑制の予定がない⽅には選択肢になります。

ポイント 過去に水ぼうそうや帯状疱疹にかかった⼈も接種可能です。再発予防に有効。既に生ワクチンを接種した⽅も、5 年以上たてばシングリックスを追加接種して効果を上乗せすることができます(医師と相談)。他のワクチン(インフルエンザ、新型コロナなど)とは、同⽇接種も原則可能です。ただし腕の左右を分けると痛みが軽減します。

接種当日の流れ
  1. 予診票記入・問診

  2. 体温測定(37.5 ℃未満が⽬安)

  3. 上腕(肩に近い位置)へ注射

  4. 15 分間院内待機:アレルギー反応の早期対応のため。

  5. 入浴・飲酒・運動は当日控えめ(熱がなければシャワー可)。


よくある質問 (FAQ)

質問

回答

痛みが強いと聞きました…

シングリックスは約9割の⽅が「筋⾁痛や腫れ」を感じますが、多くは1〜3⽇で軽快。痛み⽌めを使えます。

ワクチンで帯状疱疹になりますか?

シングリックスはウイルスを含まないので発症しません。生ワクチンはまれに軽い⽔痘様発疹が出ることがありますが、他⼈にうつす可能性は極めて低く、通常は自然軽快します。

妊娠中は?

生ワクチンは禁忌、シングリックスは安全性未確⽴。妊娠希望の⽅は医師に相談してください。

帯状疱疹になったばかりですが、いつから接種できますか?

発症から 6 か⽉以上経過し、症状が落ち着けば接種可能です。医師の診察を受けましょう。

保険は利きますか?

定期接種対象なら公費助成あり(自己負担あり)。任意接種は自費です。詳しくは窓⼝へ。


まとめ
  • 帯状疱疹は誰でもかかる身近な病気。50 歳を過ぎたらワクチンでしっかり予防しましょう。

  • シングリックス®(2 回)と生ワクチン(1 回)の2 種類があります。効果・費用・体調を総合的に考えて選択します。

  • 2025年4⽉から定期接種がスタートし、公費での接種機会が拡大しました。対象年齢・助成額は自治体ごとに異なります。

  • ご不明点はお気軽に医師・看護師にご相談ください。当院でも随時ご予約を承っています。


参考文献・リンク

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